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170 接続詞として機能しており、「得て」の「て」として表れている。 文末の置き字「焉」は文を強調 する役割をしているのだが、特に訳す必要は無い 。 「矣・焉(也)」の置き字ではない用法について補足しておこう。 「矣」 は詠嘆を表すときに「かな」と訓読する。「矣」を「かな」と訓読するときは、 「 逃 グルコト 俊 敏 ナル 矣、 安 禄 山 也。 (逃 に ぐること俊 しゆん 敏 びん なるかな、安禄山や)」=「逃げるのが速いなあ、安禄山は」など と倒置形になっていることが多。 「焉」 を訓読する場合は、疑問詞として「いづクンゾ」「いづクニカ」「なにヲカ」と読む用法や、 指示代名詞として「これ」「これヨリ」「ここニ」などと読む用法がある。 「也」 は、「なり・たり」と断定の助動詞として読んだり、「や・か」と疑問・反語・詠嘆の終助 詞として読んだりする場合がある。大切な字なので詳しくはP 「也」の講義で扱うぞ。 最後の置き字は「兮」だ。これ文中にはほとんど出てこないので、頭の片隅にちょっと 入れておけばOK。漢詩特有の置き字で、句の調子を整える働きをするのだが、 「矣・焉(也)」 と同じように、特に送り仮名として記されるわけでもなく、訳す必要も特に 。文末に置かれ るとは限らないところが「矣・焉(也)」とは異なるが、目にしたときに「置き字」だとわかるよ うにしておこう。 兮

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