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と使役形にすればよいことは容易にわかる。しかし、傍線部だけを見ると「臣下捕安禄山」となって いるので、ここだけ取り出して読むと「臣下安禄山を捕ふ(臣下が安禄山を捕らえる)」と通常文で読 めてしまう。 こがセンター試験出題者狙いどころだ 。しかし文全体読む、この文の主語は「玄 宗」で、「捕」は玄宗自身の動作ではなく、あくまでも玄宗が臣下に「させる」動作になっている。だ から傍線部は、 「臣下に(命じて)安禄山を捕へしむ」 と使役形にしなければならないのだ。 このように、センター試験で文脈判断の使役が出題される場合、 だけ見ても使役形だと簡単 に判断できない形で出題されるとが多い。センター試験の選択肢で使役の形かそうではないかがポ イントになっている場合には、 必ず傍線部の前後を見て解答するようにしよう 。 文全体を意識しろ

16 文脈使役の見分け方としては、文中の動詞が文の主語自身ではなく、その相手の人がしている動作 である場合 、が一つの目安になる。その場合、動詞を「相手に〜させる」と使役形で訳すとうまくい く可能性が高いのだ。例文でも楊貴妃が自分で宝石を「買ふ」のではなく、「買ふ」という動作は楊貴 妃の臣下である侍女がしているね。 では、次の例文の傍線部を読んでみよう。 玄  宗、 命 臣下 捕  安禄山。 この文は比較的簡単な文なので、傍線部のすぐ上の「命(めいジテ)」を見 つければ「捕」に「しむ」を付けて「玄 げんそう 宗、臣 しん 下 か に命 めい じて安 あんろくざん 禄山を捕 とら へしむ」

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