漢文ゴロゴ

160 例文の前半部分にある「不遑」はいとまアラず」と読み、「遑」という名詞に「不」が付いて いるわけだが、「遑」のような名詞に直接「不」を接続して「いとまず」などと読むことはできな いので、 「あり」という動詞を「不」の前に補って「遑アラず」とする。ここでの「ず」は読点「、」 の前な 本活用の連用形だ。 例文の後半部分にある「不捕」の読みは「とらヘざリシ」。ハ行下二段動詞「捕フ」の未然形「捕へ」 a a a a a c B 玄 宗 不 遑 アラ 惜 シムニ 宝 ヲ 、惟 恨 ムノミ 不 リシヲ 捕 ヘ 安 禄 山 ヲ 書 き 下 し 文 訳 ●漢文中での「不(ず)」の活用 を惜 お しむに遑 いとま あらず、惟 ただ 安 あん 禄 ろく 山 ざん を捕 とら へざりしを恨 うら むのみ。 玄宗は宝を惜しむどころではなく、ただ安禄山を逮捕しなかったことを残念 に思うばかりであった。 未然 連用 終止 連体 已然 命令 (本活用) ○ ず ず ○ ○ ○ (補助活用) ざラ ざリ ○ ざル ざレ ざレ ここで「不」を使った例文を一つ見てみよう。 玄 宗 宝 げん そう たから

Made with FlippingBook - professional solution for displaying marketing and sales documents online