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114 3 ここでは、「置き字」の講義(P )でも触れた「於」について勉強しよう。置き字は、 その文字自体は読まない、という用法だったが、ここで説明する「於」は置き字ではなく、 「於」を読む場合を扱う。 「於」を読む場合は「おいテ」と読むのが基本 。「おいテ」という言葉は 現代語でも使われているので、意味内容はだいたいわかる場合が多い。文法的に言えば、関係を 示す場合と、場所を示す場合とがある。 ①「於」が関係を示している場合。 戦 ハズシテ 而 富 ムハ 、 於 テハ 安 禄 山 ニ 如 シ 浮 雲 ノ 戦 たたか はずして富 と むは、安 あん 禄 ろく 山 ざん に於 おい ては浮 うき 雲 ぐも のごとし。 戦わないで財産を手に入れることは、安禄山にとっては浮雲のように無縁な ものだ。 この文中の「おいテ」は関係を示している例だ。 「戦而富」と「安禄山」との関係が「如浮雲」だと言っ ている。ここでは「〜にとっては」と訳しているが、 於」の前後の関係によって、 「〜においては」 「〜との関係は」など、さまざまに訳される。 於 基本語 c b c B 書 き 下 し 文 訳

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