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センター漢文でよく出題される「書き下し文と解釈の組み合わせの問題」だ。これは、 (ⅰ)の 書き下し文と(ⅱ)の解釈とを対応させて解くのがコツ だ。 (ⅰ)の書き下し文の文頭の「而」に着目すると、①と⑤の「而 しか るに」と④の「而 しか れども」は逆 接なので、(ⅱ)の解釈で対応するのは①の「とはいえ」、④の「にもかかわらず」、⑤の「しかし ながら」の三つ。一方、 ②と③の「而 しか して」は順接で「そして・また同時に」と訳すので、(ⅱ) の解釈で対応するものがない 。よって、(ⅰ)の書き下し文の②と③、そして(ⅱ)の解釈の②と ③が×になる。

次に、「帰之西施」は「動詞+名詞A+名詞B」の形で、「AにBを〜す」、「AをBに〜す」「A をBと〜す」などと読む。この場合、「之」は代名詞で「これ」と読むのが正しい。この読み方を しているのは①の「之を西施に帰 き する」と③の「之に西施を帰 とつ がする」の二つだが、③はすでに ×がついているので、(ⅰ)の書き下し文の正解は①となり、それに対応する(ⅱ)の解釈は自動 的に④が選択できる。 ちなみに、(ⅰ)の書き下し文で②は「之」を「ここに」と読んでいるが、 「之」を「ここ」と 読むことはない 。また、④では「之」を「この」と読んでいるが、 「この・ここ」と読むのは主に「此」。

⑤では「之」を「これ」と助詞で読んでいるが、この読み方をするのは、「之楽」=「これをた しむ」のように「目的語↓動詞」の形の場合に限られる。ちなみに、⑤は「帰」「過」の読みも誤っ ている(「西施」は人物名なので、「西施に帰る」ことはありえない!)。 基本語

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