漢文ゴロゴ

c b 3 この例文では、「也」は「悪(にくム)」という動詞の後に付いており、書き下し文では「也」 を置き字として読まないことにして、文末は「悪む」となっている。しかし、実は「也」を断定 の助動詞「なり」として読むことも可能で、その場合は接続する活用語を連体形にする必要がある。 例文で言えば「悪むなり(「悪む」は連体形)」となる。 「者」の代表的な役割は、①形式名詞としての役割と、②主格を示す係助詞としての役割だ。 ①形式名詞「者(もの)」 捕 フル 安 禄 山 ヲ 者 ハ 、惟 ダ 玄 宗 耳。 安 あん 禄 ろく 山 ざん を捕 とら ふる者 もの は、惟 た だ玄 げん 宗 そう のみ。 安禄山を捕らえるの(者)は、ただ玄宗だけだ。 訳

書 き 下 し 文 形式名詞の「者」は「もの」と読み、ある動作をする主体を表す。例文の「者」は「安禄山を捕ふ」 という動作をする主体を示し、「者」はそのまま「もの」と読んで、「安禄山を捕らえる者」とい う意味だ。ただし漢文では、「者」が形式名詞として用いられる場合 人だけでなく物事も指す場 者 紛らわしい語についての補講

173

Made with FlippingBook - professional solution for displaying marketing and sales documents online