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= つまり、結論的には「知っていた」ことになるので、「知らなかったのではないか」という文末の③ ④は×。次のポイントは、「利」の意味の捉え方になるが、ここでは「利」は「有利」「不利」の「利」 「都合がよい」の意味で使われている。選択肢では「効率がよい」が最もそれに近い意味なので、正 ①  少ない兵力で多くの敵を攻める方が効率がよいということを知らなかったわけではない。 ②  少ない兵力で多くの敵を攻める方が原則にかなっているということを知らなかったわけではない。 ③  少ない兵力で多くの敵を攻める方が効率がよいということを知らなかったのではないか。 ④  少ない兵力で多くの敵を攻める方が原則にかなっているということを知らなかったのではないか。 ⑤  少ない兵力で多くの敵を攻める方が困難を伴うものであるというこを知らなかったわけ 。 「兄(豈)に反抗(反語)!」 、というパターン通り、「豈」以下の部分は反語だ。書き下すと、 「豈 に少を以て衆を撃つの利たるを知らざらんや」 となり、 「豈に〜んや」と反語のパターンになっている。 そして、下に否定の「不知」という形があるので、否定をもう一度反語で否定した形となり、結論的 には肯定的内容なる。これが最大のポイントだ。 「反語+否定」=「否定+否定」=「二重否定」=「肯 定」 となる。 解は①。逆に言えば、「利」という漢字から②④の「原則にかなう」、⑤の「困難を伴う」の意味にな らないのは推測できる。なお、ここでの「二重否定」は強肯定の意味にはならない、例外的な二重 否定だ。

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