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c l c b とし」の内容を問われる場合は、内容一致さながら、傍線部より前の内容全体を答えさせる場合が多い 。 センター試験過去問として、次のような問題が出題されたことがある。 「形 ハ 若 ク 死 灰 ノ 心 ハ 如 シ 鉄 石 ノ 。」 問  傍線部「心如鉄石」は、唐臨のどのような態度を表現したものか。最も適当なものを、次の① 〜⑤のうちから一つ選べ。 傍線部の「心如鉄石」は「太宗」という皇帝が発した言葉である。問いに従っ て「唐臨」の態度を読み取って解答の選択肢を選ぶわけだが、「心は鉄石の

ごとし」と比喩されている「唐臨」の態度は傍線部以前の話の流れを的確につかんでいないと解答で きない。特に「鉄石」という漢字から、単純に「固い」とか「冷たい」というイメージを受けてしま うと不正解になるように選択肢は作られているので注意が必要だ。選択肢の文末だけを並べると、 ①  公正な態度。 ②  冷静な態度。 ③  厳格な態度。 ④  厳正な態度。 ⑤  堅固な態度。 となっている。「心は鉄石のごとし」という比喩のイメージからは②の「冷静な態度」や⑤の「堅固な 態度」などが正解になりそうだが、実はここでの正解は①の「公正な態度」。字 じ づら 面で判断するのではなく、 あくまでも文脈を正確に追い、比喩するものが何を指し示しているのかを解釈した上で正解を選ばな ければならない。「比況」をあなどるべからず! 比況は指示語問題だ

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