極める古文2 センター試験編

上、 「おのづから栄を為す」 うち誦じ させ給ひて、

宮城野に 見ばやおのが垣 参り給へれば、夜 る前栽御覧じて、端つ 女御は、いと薄き蘇芳に吾 き重ねて奉れる御さまの、あり 影ふと思ひ出でら るも、なつかし 地すれど、殊に見やり奉らぬさまなり。 朝顔の枝を持給へりけるを、御前に参ら せ給ふ。

大将は、ありし御面影の身を去らぬま まに、奈良にこそこまかなる細工はあん

千年経る松にた ふる 顔のげ ぞ 盛りの色は久し

朝顔の朝露ごとに開くれば秋は久し き花とこそ見れ

が家の垣根 に妻として迎え た庭の植え込みをご覧に 御は、たいそう薄い蘇芳色の を重ねてお召しになっているご様 思い出されるのも、心惹かれる気持ち いらっしゃっていたのを、帝 差し上げなさる だ歌は、 朝顔の…=朝顔は、毎朝朝露が下りるたびに花が咲く には長く咲き続けている花と見ることです。 ますように。 帝は「 いる」と口ずさみなさって、お返事なさった。 大将が藤壺へ 千年経る…=千年の齢を保つ松にたとえる朝顔の、花盛 の美 しさは本当に長く続く う 、 しい。 女御の方

一日だけのはかない命の朝顔も

お見申し上げない様子である。

参上なさったところ

宮中にいる

あなたの朝の顔も盛りの年頃で美

自然と一日の栄えを楽しんで

帝は 一晩中風に吹かれて

大将は

帝が詠んだ歌は、

帝の御代も長く栄え

その時大将が詠ん

姫宮の 朝顔の枝を持って

大将は

面影がふと

とくに

壺 女

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