極める古文2 センター試験編

我が御殿の三条院のおほかたの寝殿に はあらで、また磨き造らるる西面に、九 間ばかりなる所に、雛屋を作り続けて、 九重の中の有様、旧き名所名所も、変は

事しもこそあれ、いつしかねぢけたる御 祝ひ言なりや。待ち見給ふ御心地は 顔 うち赤みて、 いとど身のほど心おごりし、 上の御ならはし・御心ざ をぞ、この世 のみならず思ひ続け給ふ。

興あり、え 入らせ給ふ。さ れぬ数には思はじも さするわざせんと、な 怨めしきに、これをさも思 おもしろきこと、と思さるるぞ しき人の御癖なる。御返し、上 雲居なる千代松虫ぞ宿るべき君が磨 ける玉の台に

姫宮のことを ろうが。 何とかして まったく思い通り らない いる姫宮はいずれあなたの邸に住むことになるでしょう。 こともあろうに、早くも遠回しではあるが

たが、 そう自分の身の上を得意に思い、帝のお引き立てやご愛情を、現世 だけのものでなく ことへの

る 大将の

たとき、 人が申しました は、たいそうおもし 思いになって、満足そう しろいことだ」と帝がお思いになられるのは、 お返事の歌は、帝がお詠みになった、 雲居なる…=宮中に住む千年も栄える松の名を持つ松 たが磨き上げた豪華な建物に住むことにな ように、

大将がこの姫宮を

大将が

お祝いの言葉であることだ。お返事を待ち受けてご覧にな お気持ちは、顔を紅潮させて、

世間並みで何の気持ちも起こ

じっと覗い

前世からの因縁によるものと

大将の

それほどにお思い申し上げるとしたらおも

心を動かすようなことをしようと

大将と女たちとの

帝から大切に思われて

大将と姫宮が結ばれる

つくづくお思いにな

仲を残念に思ってい

今は宮中に

大将が

いっ

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