極める古文2 センター試験編

日にそへてめではやししを、こたみ公より蝦 夷が千島に防守を置かるることあ て、 の 国よりもまづ出ださるるによりて、その数に 指されて、出で立たむとす。 「行き帰るまで、 さる広き家に女子のみ置きては守りがたし」 とて、家をば売り、女子は人のもとに預けて 行く。その心にかは て、

からひによ 許しありて、入 へたまはせ などし なりぬれば、身に余り の奥に下るきざみ、先の宮 き志をめで給ひて、琴を送られ ある琴なりき。これに歌そへよとあ 一筋に思ふ心は玉琴の緒によそへつつ きや伝へむ 家なども、もとよりは広く清らに作りなし て、めぐりに松子植ゑわたし、移り行く月

かねて願っ いは 身に余る光栄だ の宮家に仕える人が をお褒めになって、琴を あった。 「 鷹飼いが詠んだ歌は、 一筋に…=風流を一筋に思う心は、 一筋の弦にこと寄せつつ弾き伝えましょう 周りには松をぐるりと植えて、移りゆく月日ごとに たが、このたびお上から蝦夷(北海道)の千島に防守を になるという通達があって、真っ先にこの お出しになるために、 て、 蝦夷へと 鷹飼いは

帰っ くるまで、そのよ な広い家に女子どもだけを置いてお いたのでは家を守ることはできない」と思って、家を売り、女 子どもは人のもとへ預けて出かけた。その折の

に なり代わって

この琴に

家なども、もともとことさら広くきれいに作っ

出立することとなった。

私が詠んだ歌は、

和歌を添えよ」 と

その鷹飼いが

鷹飼いが

宮家に仕える人が言うので、

その員数の一人に指名され

陸奥の田舎に下

鷹飼いは

いただいた

陸奥の国

「 千島へ

鷹飼いの気持ち

からも兵を

美しい琴の

行って

鷹飼

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