極める古文2 センター試験編

家出でて なりて行けばか 二筋に落つる涙も にけるかも その琴は、むかし行平の 須磨におはせし時、庇の杉を風 たるが、その形面白かりければ、く なる元結を一筋ひきかけて、調べ給へる はじまりて、今も伝はれるなりとぞ。

その琴は、昔在原行平中納言が らっしゃった時 庇の杉を風が吹き落 かったので、くしげの箱に入っていた元結 て、奏でなさったことから伝え始まって、今も だということである。

あれば けるのだから何の甲

と筋の

二筋に…=

家出でて…

弦を張った

行く甲斐もある

防人となっ 小さな琴にかかったこ よ。 悲しみゆえ両目から

家を出て行

ふた筋に落ちる涙が、ひ

帰る家が

134

Made with FlippingBook Ebook Creator