極める古文2 センター試験編

とひ侍らむ わが身すでに老 なりては、ゆふべの ば、けふをかぎりの別 さきだてて、長き旅路をは にまみえてあれ。われだに、ひ と思へば、さぞやおぼしてむと涙に まぜて、 わが子をおもふ如にい けるに がははの袖もちなでてわがからに泣きし心を わすらえぬかも」と誦し いよよ親坐す国 の恋しう、いかなる宿世にや、かく人の親の 心の闇におもひたまへらむと、 涙をとどめて、 いかなれば老いの涙のわが袖にかかるな

さけをえやは忘れむ

ない命です 涙を浮かべ、長 面なされよ。私 さ ろうなあと思うくらいで とそうお思いでしょう、と、 子を案じるように言ったので、 の衣の袖をとって撫でさすり、私ゆえ お気持ちを忘れることは きませんよ」と た。 旅立ってみると 恋しく、いったいどんな前世の因縁で、親というも でも、 ものの区別もつかない闇夜のようにわが子のことを心配 して くださるのかと、 だ。 いかなれば…=いったい老いた

て 、私の衣の袖に涙を注ぎ けてくださ ようなこんな愛情 を、どうして忘れることができようか、 や、とても忘れる ことはできない。

、なおいっそう両親のいらっしゃる故郷が

こみ上げてくる

あなたが

あなたのご両親は 私も 「わがははの…=母上が私

辛い一人旅をなさっ

両親が私のことを心配し

涙を押さえて、こう詠ん

あなたの

、なおのこ

ご両親に対

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