極める古文2 センター試験編

ふとて、出 の御文もて往に とて忙はしげなるさ 将は仮の御名にて、宮 や」と。 いとど恥づかしく悲しくて、 見つけられ奉りたらん時、いかがは はかなく聞かれんとこそ思ひしを、かか まにて見え奉らん、 いと恥づかしきことにも と、今さら苦しければ 宮おはします時はか しこうすべりつつ見え奉らじ すまふを、 「人

ある昼つかた、いとしめやか 、 「宮も 今朝より内裏におはしま ぬ」とて、人々、 御前にてうちとけつつ、戯れ遊び給ふ。姫君

もいかなることにかと とがめんか」と、こ れも苦しう、 「とても くても思ひは絶えぬ 身なりけり」と思ふには、例の、涙ぞまづこ ぼれぬる。

なって、 「それなら もまた心配で、 「いずれにしても悩みはつきないわが身である なあ」と思う つけて、

どもである りでなく思って ことで、 お出かけな て行ったお供の方も、 『 そうな様子でございましたが のお名前であって、実は宮でいら 言う。 聞いておられるだろうとばかり思っていたのに、このよ 様で 宮に お会い申し上げるのは、とてもきまりが悪いことよ」 と、今さらにつらいので、宮が まくその場をそっと抜け出しては にしよう 引き下がるが、 「 ことであろうかと それを聞いて、按察使の君は どうしようか。

宮の前から姿を消した私の行方は

私の様子を

宮に お見つけられ申し上げたような時は、

按察使の君は

他の女房たちも 見咎めるのではないか」と、それ

姫君の元へ

ますますきまりが悪く悲しく

宮に お会い申し上げないよう

いつものように、まず涙

お屋敷の人

お越しになる時はう

いったいどういう

わからないと

並一通

97

Made with FlippingBook Ebook Creator