極める漢文1

書き下し文 口語訳

10 〈書き下し文〉 智 ち 者 しや の千 せん 慮 りよ にも、必 かなら ず一 いつ 失 しつ 有 あ り。聖 せい 人 じん の知 し らざる所 ところ 、未 いま だ必 かなら ずしも愚 ぐ 人 じん の知 し る所 ところ と為 な さずんばあらざるなり。 〈現代語訳〉 智者の並ならぬ思考にも、必ず何かしら誤りがあるものである。聖人の知らないことは、愚人の知るところで ないということでは必ずしもない。愚人にできることは、聖人にできるところということでは必ずしもない。道 理に絶対 はないし、学問にも終着点はない。だとすれば、(学問に)質問するということは不可欠な ものである。 第 講  劉開『劉孟涂集』 書き下し文・口語訳 愚 ぐ 人 じん の能 よ くするところ、未 いま だ必 かなら ずしも聖 せい 人 じん の能 よ くせざる所 ところ に非 あら ずんばあらざるなり。理 り に専 もつぱ ら在 あ ること無 な く、学 がく に止 とど まる境 さかひ 無 な きなり。然 しか らば則 すなは ち問 と うこと少 か くべけんや。

書き下し文・口語訳

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