極める漢文1

書き下し文 口語訳

12 〈書き下し文〉 〈現代語訳〉 昔から大臣や高官になるべき者は必ず先に困苦して、その後に高い地位につくものである。どうして先と後と で不釣り合いなのだろうか。困苦しているまさにその時に、造物者はどうしてその者が後に受ける地位をあらか じめ与え、少しでもその困苦の状態を助けることができないだろうか(いや、造物者にはそうした能力がある)。 第 講  倪思『経鉏堂雑志』 書き下し文・口語訳 古 いにしへ より卿 けい 相 しやう 達 たつ 官 くわん は必 かなら ず先 さき に困 こん 苦 く して後 のち に乃 すなは ち貴 たつと し。何 なん ぞ前 ぜん 後 ご の均 ひと しからざるや。其 そ の困 こん 苦 く するに方 あた りて、造 ざう 物 ぶつ 者 しや 豈 あ に其 そ の後 のち の享 う くる所 ところ を以 もつ て予 あらかじ め以 もつ て之 これ に与 あた へて、稍 やや 以 もつ て之 これ を拯 すく ふ能 あた はざらんや。

書き下し文・口語訳

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