極める漢文1

13 〈書き下し文〉 〈現代語訳〉 鮑叔はもともと管仲のことを身分の低い時から知っていた。管仲が斉の宰相となったのは、鮑叔が推薦したか らである。管仲は宰相となってからというもの、内政ではこれを執りおさめ、外交では諸侯を糾合した。桓公は ことあるごとにこれ(管仲の施策)を鮑叔に問いただした。鮑叔が答えて言うには、「公は管仲の言葉どおりに 行い下さい」と。鮑叔は管仲を推薦しただけでなく、このように見えないところでうまく管仲を補佐してもい のである。真に理解者というべきである。 第 講  張燧『千百年眼』 書き下し文・口語訳 鮑 はう 叔 しゆく 固 もと より已 すで に管 くわん 仲 ちゆう を微 び なりし時 とき に識 し る。仲 ちゆう 斉 せい に相 しやう たるは、叔 しゆく 之 これ を薦 すす むればなり。仲 ちゆう 既 すで に相 しやう たりて、内 うち に政 せい 事 じ を修 おさ め、外 そと に諸 しよ 侯 こう を連 つら ぬ。桓 くわん 公 こう 毎 つね に之 これ を鮑 はう 叔 しゆく に質 ただ す。鮑 はう 叔 しゆく 曰 い はく、「公 こう は必 かなら ず夷 い 吾 ご の言 げん を行 おこな へ」と。叔 しゆく 惟 た だに仲 ちゆう を薦 すす むるのみならず、又 また 能 よ く之 これ を左 さ 右 いう すること此 か くのごとし。真 まこと に知 ち 己 き なり。

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