みんゴロ極める古文1

第4講  『古本説話集』

と3の「憎んで」とで迷うが、殿が大納言を「憎む」 ほどいびつな二人関係ではないので、1 「きびしく」が正解。「あやにく」は現代語の「あいにく」の語源になった語。今でも「あいにくの雨だ」 などと使うが、その場合は「不都合だ」の意味なので、選択肢2が該当するが、古語では「意地が悪い」 のほうが頻出する。 エ「心にくく思ひければ」は「心にくし」のゴロの確認だ。 所の憎しみ、なぜか奥ゆかしい こころにくし=奥ゆかしい  「心にくし」は対象に「心ひかれる様子」を表す。こでは3の「期待していたので」が正解。傍線

ドで有名。彼の撰による漢詩と和歌のアンソロジーである『和漢朗詠集』は、平安時代当時もその後に も大きな影響を与えた。特に白 はくきょい 居易の『白 はくしもんじゅう 氏文集』から撰ばれた漢詩が多く、当時の貴族に白居易が親 しまれる大きな原因を作った。 イ「長き名に候ふべし」 ここでの「長き名」というのは、「はかばかしからぬ歌」=「たいしたことのない歌」を詠んだこと で長く後世に残す不名誉な前、ということなので、正解は2。 ウ「あやにくに」は、まずゴロの確認から。 あや、憎たらしい、意地悪だ あやにく(なり)=意地悪だ  「あやにくに責めさせ給へば」=「意地悪く責めなさったので」、という文脈。選択肢では1の「きびしく」

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