みんゴロ極める古文1
分 ③ 『源氏物語玉の小櫛』 次の文について、後の問いに答えよ。 ここらの 物語書どもの中に、 この物語 は、ことにすぐれて、 めでたき ものにして、大かた先にも後に もたぐひなし。 これより先なる古物語 どもは、何事もさしも深く心を入れて書けりと し も 見え ず。ただひとわたりにて、あるはめづらかに興ある事をむねとし、 おどろおどろしきさまの事多くなどし て、いづれもいづれも、もののはれなるすぢなどは、さしもこまやかに深くはあらず。 、こ れより後のものどもは、狭衣などは、何事ももはらこの物語のさまをならひて、 心をい れ たり とは見ゆ るものから、こよなくおとれり。そのほかもみなことなることなし。 、この物語ぞこよなくて、ことに深く、よろづに心を入れて書け る ものにして、すべての 文 詞のめでたきことはさらにもいはず、よにふる人のたたずまひ、春夏秋冬をりをりの空のけしき、木草の ありさまなどまで、すべて書きざまめでき中にも、男女、その人人の、けはひ 心ばへにしたがひて一や うならず。 よく分かれて、うつつ の人にあひ見る ごとく おしはから るる など、おぼろげの筆の、かけても 及ぶ べき さまにあらず。 第 3 講 A 甲 ① イ 乙 ④ ② B ロ C ハ ⑤ D E F ⑥ ⑦ ⑧
制限時間 解答編 46 ページ 25
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