新・ゴロゴ漢文問題集 基礎・必修編 v1.01

第24講 累加2

書き下し文 は、お分かりいただけるはずです」と。私はひそかこう思 う。しだいに年を取っていって思いを学問に留めていられる といのは、そもそも簡単なこと ない。そうではあるけ れども、そ中にもまたおのずから味わいがある、と。 曹 さう 孟 まう 徳 とく 嘗 かつ て 言 い はく、「 老 お いて 能 よ く 学 まな ぶ ものは、惟 た だ吾 われ と袁 ゑん 伯 はく 業 げふ とのみ」と。東 とう 坡 ば 云 い ふ、「 此 こ の 事 こと 独 ひと り 今 きん 人 じん のみ 能 よ くせざ るにあらず、 古 こ 人 じん も亦 また 自 おのづか ら少 すく なきなり。」 東 とう 坡 ば 論 ろん 語 ご 解 かい を以 もつ て文 ぶん 潞 ろ 公 こう に寄 よ するの書 しよ に 云 い ふ、「 就 た 使 と ひ 取 と る 無 な きも、 亦 また 其 そ の 窮 きゆう し て道 みち を忘 わす れず、老 お いて能 よ く学 まな ぶを見 み るに 足 た るなり」と。 予 よ 窃 ひそ かに 謂 おも へらく、 年 ねん 歯 し 寖 やうや く高 たか くして能 よ く意 い を学 がく に留 とど むるは、此 こ れ固 もと より易 えき 事 じ に非 あら ず。然 しか れども其 そ の中 なか に 於 おい ても亦 また 自 おのづか ら味 あぢ 有 あ り。 (たと)ヒ~(な)

重要語句

▪ 与

▪ 就使

返読文字で「と」と訓む。 「たとひ」と訓み、逆接仮定条件であることを示す。 「 名している点にも注意しよう。

現代語訳 曹孟徳がかつて言ったことには、「年老いて学ぶことがで きるのは、私と袁伯業だけである」と。東坡が言うには、 「こ のことは今の人だけができないことではない、昔の人にもお のずからできる人は少ないものである」と。東坡が論語解を

文潞公に寄贈した際の書に言うには、「たとえ(この書に) 取るべきところがないとしても、私が窮地にあっても学問の 道を忘れず、老いても学ぶことのできる人間 だということ

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モ 」と送り仮

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