新・ゴロゴ漢文問題集 基礎・必修編 v1.01
もののようにする。そうして初めてその道理を理解すること ができる。文意疑問があり、多くの説が入り乱れていると きは、先入観を捨てた心で静かに思索するのよく、性急に いずれかの説に決めつけりしてはいけない。 書き下し文 現代語訳 大 たい 抵 てい 書 しよ を 観 み るには、 先 ま づ 須 すべか らく 熟 じゆく 読 どく し、その言 げん をして皆 みな 吾 われ の口 くち に出 い づるがご とからしむべし。 継 つ ぐに 精 せい 思 し を 以 もつ てし、 其 そ の意 い をして皆 みな 吾 われ の心 こころ に出 い づるごとから しむ。 然 しか る 後 のち 以 もつ て 得 う ること 有 あ るべきの み。文 ぶん 義 ぎ に疑 うたが ひ有 あ りて、衆 しゆう 説 せつ 紛 ふん 錯 さく するに 至 いた りては、則 すなは ち亦 また 虚 きよ 心 しん 静 せい 慮 りよ して、遽 にはか に其 そ の間 かん に取 しゆ 捨 しや する勿 な かれ。
重要語句 ▪ 勿 返読文字で「~(する)なかれ」と訓む。禁止(~するな)の意。
おおよそ四書五経を精読するには、第一にその言葉が全て 自分の口から出たもののようになるまで熟読しなければなら ない。次にくわしく考え、その意味が全て自分の心から出た
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