大学受験教育系YouTuberデータブック1.01
東大文Ⅲ出身の方がいました。その人 も数学Ⅲ C は履修していないという ことで、3 時間半かけて説明してみた。 その経験を動画にして投稿したという 経緯です。 その後、数学小ネタシリーズを出した り、京都大学の素数の問題を出したり する中で大学入試の動画に需要がある と気づきました。2018 年の 4 月から 毎日出すことにして、いつの間にか 1000 本以上の動画を出していました。 ー伸び悩んだり、つらかった時期はありまし たか オイラーの公式の動画が伸びていた といっても、最初は登録者 3 ~ 4 人。 少ないながらも収益化できたらいい な、と。その後毎日投稿し始めたので 登録者や再生数が少しずつでも増える ことがモチベーションにつながってい ました。一方で、ちょうど投稿を再開 した頃に YouTube の規約変更で収益 化の基準が変わって、半年以上申請が 通らなかった。あの時期は動画を出し 続けるのがつらかったですね。 ー授業動画を伸ばす自分なりのコツはありま すか もちろん内容も大事ですが、動画の伸 び方には問題の選定が大きく影響しま すね。サムネイルで問題を提示してい ますが、東大の過去問「π> 3.05 を 証明せよ」のようなキャッチーなもの は伸びやすい。逆に、確率のように長 い日本語の問題はなかなか伸びない。 動画を出すようになって途中からは問 題を選ぶ時点で伸びる・伸びないはな
鈴木貫太郎さん 聞いてみた!
ー YouTube に動画投稿を始めたきっかけを 教えてください 2017 年 7 月に「中学生の知識でオイ ラーの公式を理解しよう」という全 10 回の動画を出したのがきっかけで す。なぜそんな動画を突然投稿したか というと、ちょっと長くなるのですが、 高校時代は勉強が苦手で、数学を初め て勉強したのは 2 浪目でした。なんと か早稲田大学に合格し、大学時代に「早 稲田アカデミー」の講師としてアルバ イトを始めました。中学受験の算数を 担当し、3 年間でプロと名乗れる程度 にはなりました。その過程で大学は中 退し、早稲田アカデミーに入社してい ました。 シンガポールで勤務している際、妻と 知り合い、2 人目の子どもが産まれた のを契機に私が主夫になりました。妻 の転勤でロンドンに住んでいた頃、子 どもが通っていた現地校の生徒のお母 さんたちから家庭教師を頼まれて、高 校生たちに数学を教えるようになりま した。向こうでは合成関数など数学Ⅲ C の分野(注・当時。現在は数Ⅲ)も 高校 2 年で学ぶ範囲内。受験では数学 Ⅱ B までしか勉強していなかったの で、ここで初めて数学Ⅲ C も勉強し たことが自然対数の底 e、そしてオイ ラーの公式に挑むきっかけになりまし た。やっと理解できたら、今度は誰か に伝えたくなった。ちょうどその当時 住んでいたスロベニアで、妻の同僚に
44
Made with FlippingBook Digital Publishing Software