語彙・テーマ
文学には国境も時代の差もないという 今、東西、要するに文学は文学であって、 現象 的には千変 万化であるかもしれないが、 本質 においては異なるところ はないとする。文学は一つなり、である。 これを受容の側から考えると食物に似 ている。どんなも のをたべても栄養として吸収され骨肉と なる。それと同じ ように文学も、いかに性格の違う作品を 読んでも一様に吸 収されて精神の糧とってしまう。 外国の文学であろうと 自国の文学であろうと、この摂取、消化、 同化の過程に差 はない。 そう考えるのが文学の一元論ともいうべ きもので ある。 (外山滋比古『文学の方法』) 語句 〈例文〉
考え方がある。古
151 一元論 ある一つの要素によって物事の成り立ち を 説明できるとする立場対義語は「多元論」 で、物事の根源となる要素は複数あると す る立場。 (P 参照)
292 千変万化 さまざまに変化すること。次々と変化し て いくこと。 (P 参照)
40
Made with FlippingBook Digital Publishing Software