語彙・テーマ

6 nature 基 本 前項では、中世の目的論的自然観から近代の機械論的自然観へ という捉え方の変化について見てきましたが、本項では、「自然」 としての自然。「ありの まま」としての自然。 自然

とは何かについて、さらに掘り下げて考えてみましょう。 中世においては、人間は自然一部であり、神の摂理に従うと されていました。その意味で、個人に「自由」はありません。し かし、近代になると、人間は神のいるべき場所に立って、自然を 支配しようとします。このとき、人間が自然の外に飛び出すとい うことが重要です。 もはや自然の一部ではないからこそ、自然を 実験・観察の対象とみなして(対象化)、法則を見出し、都合よ く自然を作り変えるこも可能となった です。

しかし、このような自然の捉え方は、西洋という限られた地域 における、近代という限られた時の特殊なものにすぎません。 実際、日本ではこれとは異なる捉え方をしています。

72

Made with FlippingBook Digital Publishing Software