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nature 解説 としての自然と、「ありのまま」としての自然。この例文も、 山も田園も人の手で作られたものです。「『自然』が絶対価値と見なされる」と言うとき、 人の手が加えられた としての自然を、手つかずの「ありのまま」の自然として賛美するという逆説 が生じています。 ですが、そうしたパラドックスは「西欧的発想」にもあると、筆者は指摘しているようです。近代においては、 人間は自然の外に立つ、つまり、「自然と人間の存在的本質」は「きびしく区別」れました。しかし、一方で、 西洋ではキリスト教の「絶対的創造神」が信仰されています。「人間も自然の一部」であり、神の摂理の下に置か れているという捉え方は、けっして過去のものではないのです。 こうして、 西洋においても、人間と自然を区別しながら、「人間の営みだけを人為として自然から切り離すこと を不自然と受け取る」という逆説が成立 います 「自然」はこれほどまでに一筋縄ではいかないものなのです。 nature 進めましょう。 日本では、「自然に放置された」
「自然」の二つの意味に注意しながら読み 「人為を加えない」ものに価値を見出します。しかし、先に述べたように、里
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