語彙・テーマ
95 発展テーマ
そして今、高齢者の孤独死や家庭内での児童虐待などの問題を 見るにつけ、家族そのものが壊れつつあると言えるかもしれませ ん。 家族というのは、第一義的に相互扶助の組織であって、先天 的に〈愛〉で結ばれていると考えるのは幻想です。 むしろ、親の 手伝いをしたり、看病や介護をしたりしながら、〈愛〉を深めて いると言うべきでしょう。
核家族において、子どもは親の束縛から解放されて、自由を手 に入れたかのように思えます。 しかし、それは個人としての自立 を意味してはいません。 むしろ、最終的には親が面倒を見てくれ るという甘えがあり、それが、社会的引きこもりやニート生み 出す要因であると考えられます。
家族では何もできなくなったところに、さまざまな問題が生じて います。人ひとりでは生きていけない。だから家族はある。そ うした根本的な部分から、家族を見直す必要に迫られています。
大家族から核家族へ、容れ物として小さくなる中で、族が果 たしうる機能も縮小されてきました。医療も介護も教育も外部の サービスに委ねる、 家族機能の外部化 です。それが極限まで進み、
現代文テーマ
発展テーマ
Made with FlippingBook Digital Publishing Software