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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 書 訳 P.21 1  傍線部以前の内容としては、注にあるように自分の軍勢が敵の「什(十)」倍である場合、「伍(五)」倍である場 合にどう行動すべきかが書かれている。その次にある「不敵」は軍勢が敵の数に足りないことを意味しており、その 場合は逃げるべきだと書かれている。つまり「不敵」は敵の数に「匹敵しない」という意味で捉えるのが適当なの、 「匹敵しなければ」となっている③が正解。残りの解釈はどれも「敵」を数として捉えておらず、意味を取り違えている。 解答 ③ 什 じふ なれば則 すなは ち之 これ を囲 かこ み、伍 ご なれば則 すなは ち之 これ を攻 せ め、敵 てき せざれば則 すなは ち之 これ を逃 のが るるは、兵 へい の所 いは 謂 ゆる 常 じやう なり。 自分の軍勢が敵の十倍ならば敵を包囲して降服させ、自分の軍勢が敵の五倍であれば敵を攻 撃して破り、敵にかなわなければ退却するの 用兵のいわば常である。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2  まず傍線部「生非貴之所能存。」が、次文「身非愛之所能厚。」と対句になっている点に着目する。対句はセンター 試験で頻出だ。傍線部の「之」は、対句になっている次文の「之」と同様に「之(こ)れ」と読む指示語で、文頭の 「生」を受けているので、「之(ゆ)く」と動詞にしている①と③は×。次に、「貴」も対句的に次文の「愛して」の読 みと対応して「貴んで」と読むので、「貴ばれて」と受身にしている④は×。そこで残った②が正解になる。傍線部前 後に対句表現がある場合は、こように解答に利用することがでるので、見落とさずにチェックしよう。 解答 ② 生 せい は之 こ れを貴 たつと んで能 よ く存 そん する所 ところ に非 あら ず。身 み は之 こ れを愛 あい して能 よ く厚 あつ くする所 ところ に非 あら ず。 命は、何よりも大切にしてもいつまでも続くわけではない。身体は、かけがえのないもと して大切にしても、いつでも健康でいられるものではない。 解答・解説 書 訳

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