極める古文1 基礎・必修編

第3講  『源氏物語玉の小櫛』

100 一方、 助動詞と助詞は訳が決まっていて基本的に意訳できない。 もちろん、いくつもの意味をもつ助 動詞の場合は、どの意味で用いられているかの判断が必要だが、これも文法のパターンをマスターして しまえば %訳は決定する。そして、助動詞や助詞などをあぶりだすためには、まず1の「品詞分解」 が必要なのだ。 すべての基本は品詞分解にある 。 傍線部Cを単語に切ると、「心/を/いれ/たり/と/は/見ゆる/ものから/、こよなく/おとれ /り」となる。ここでのポイントは助詞の「ものから」。 「ものから」は逆接の接続助詞 なので、「~け れども・のに・が」と訳さなければならない。選択肢では1と2が「~から」と順接になっているので×。 助動詞のチェックをすると、 「たり」はすべて「ている」と存続で訳してある。文末の「り」も「ている」 と存続になっている。 「たり」と「り」は完了だけではなく、こうした存続の意味がある のでチェックだ。 動詞「見ゆ」は、3「見える」と4「思う」のちらの意味もあるので、勝負は形容詞「こよなし」 の訳だ。 今 宵の 梨 は 格別だ こよなし=格別だ 形容詞「こよなし」は「格別だ。このうえない」いう意味なので、3 少々」は×4「甚だ しく」が正解だ。 解答 4

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