極める古文1 基礎・必修編

35 物語』の研究書。国学とは近世に起こった学問の一つで、『古事記』『日本書紀』『万葉集』な どの古典研究にもとづき、儒教・仏教渡来以前の日本の固有文化を明らかにしようとする学問。 その国学の祖と言えるのが契沖で、ついで 荷 かだのあずままろ 田春満 を経て 賀 かものまぶち 茂真淵 へと継承される。そして賀 茂真淵の弟子である本居宣長で国学は大成される。宣長は著作が多く、センター試験でも複数回出 題されている点で特筆される。 主な作品は、国学書として『古事記伝』『源氏物語玉の小櫛』『玉くしげ』『 鈴 すずのやもんどうろく 屋問答録 』、評論 『 紫 し 文 ぶんようりょう 要領 』、 随筆 『 玉 たまかつま 勝間 』 、学問論『うひ山ぶみ』、 家集(和歌集)『 鈴 すずのやしゅう 屋集 』がある。入試で 出題される出典では随筆『玉勝間』が群を抜いている。『古事記伝』は 年を有した大作であり、 また 『源氏物語玉の小櫛』 では、 『源氏物語』の本質を「もののあはれ」に見出す など、後世に大 きな影響を与える仕事をなした。 出 典 解 説  『源氏物語玉の 小 おぐし 櫛 』は江戸時代に国学者の 本 もとおりのりなが 居宣長 (1730~1801)が書いた『源氏

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