極める古文1 基礎・必修編

第4講  『古本説話集』

問三  「に」の識別は同形品詞識別ではトップの出題率を誇るものだ。しっかりポイントをマスターし てほしい。 「に」の識別  「に」の識別の解答には七つの可能性がある。そこで、正解になる確率の高いものから順に説明 していくことにしよう。 1 完了の助動詞「ぬ」の連用形 連用形に付き、下に助動詞の「たり」「けり」「けむ」「き」の活用したものが付く。 完 了「ぬ 」用 た ら・ た り・ た る・ た れ たら/たり/たり/たる/たれ/たれ 連用形 + 「に 」 + け り・ け る・ け れ (けら)〇/けり/ける/けれ/〇 け む( け ん)・ け め 〇/〇/けむけむ/けめ/〇 き ・ し ・ し か (せ) き/し/しか/〇 ※「に」の下に助動詞「たり」「けり」「けむ」「き」活用したものが付いていたら、完了の助 動詞「ぬ」の連用形! これをゴロでまとめてみよう。 に た 景 色 は完了! 「なり」と言い切れる。下に係助詞「は・

2 a 体言・連体形に付いて、活用する。終止形に直してみて、 も・ぞ・なむ・や・か・こそ」が付いている場合が多い。

+ も 「なり 」用 ぞ 体言 + に なむ(なん) 下に「 あらむ 」などが省略されている場合が多い。 連体形 やかこそ ※ 「にや」「にか」の下の「あらむ」、「にこそ」の下の「あらめ」は省略される場合が多く、入 試でよく問われる。 b 下に「あり」「おはす・おはします」「候ふ」「侍り」「なし」がある。 ︸ 下に「 あらめ 」などが省略されている場合が多。 断定の助動詞「なり」の連用形 は 断定

67

Made with FlippingBook HTML5