極める古文1 基礎・必修編

第4講  『古本説話集』

P OINT 連用形+「なむ」=連用形+「な」+「む」 →この形の場合、  「連用形+な+む」は「な」が本来の完了の意味を失って強意の意にっているので、下の「む」の 意味の判別がポイント。ここは、「他の人歌はなくてもよいだろう」という文脈なので、「む」は推量 あるいは適当と判断できる直訳としては「他人の歌はなくてもありだろう」となるが、もう少しこ なれた訳として「他の人の歌はなくてもよいだろう」とする。 傍線部丙 を品詞分解すると、「え/詠み/侍ら/ぬ/も/ことわりなれ/ば」となる。ポイントとな るのは「え~ぬ(打消ず」連体形)」と、形容動詞「ことわりなり」の已然形「ことわりなれ」だが、 二つをゴロで確認しよう。

「な」は完了の助動詞「ぬ」の未然形だが、本来の完了の意味を失って「強意」となる。

65 訳出する必要は特にないが、あえて訳をするときは「きっと~・確かに~」と訳す。 →下の「む」はすでに学習したように、六つの意味を持っているので、文脈応じてしかえる。 P を参照のこと。 →「なむ」の識別に関しては第6講で詳しく学ぶ。

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