極める古文1 基礎・必修編

第5講  『更級日記』

P OINT

5 覚えておこう。まとめると、 撥音便「ん」の下、あるいは撥音便「ん」が無表記になった形の下にある 「なり」は伝聞・推定の助動詞 である、となる。また同じことが推定の助動詞「めり」にも言えるので、 ここでついでに覚えておこう。 波線部cの「なる」は「あれなり」という形容動詞連体形の一部なので、正解は 。 問六 波線部dの「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形。一度学習したが、もう一度確認しておこう。 「ぬ」の識別 未然形+ぬ=打消の助動詞「ず」の連体形=「~ない」と打消の意がある。 ぬ 連用形+ぬ=完了の助動詞「ぬ」の終止形=「~た」と完了の意がある。 解答 a= b= c= 1 2 5 -

ラ変型の活用をする語には終止形ではなく、ウ段である連体形「 る」に付くことになる。 そうした語 は、動詞のラ変以外にも、形容詞や容動詞、また助動詞にもいくつか存在している。 ここでは、そうした文法的な知識を踏まえたうえで、ラ変型の活用語が、伝聞・推定の助動詞「なり」 に接続した場合の形をまとめておいた。表にもあるようにたとえば「あるなり」という形が撥音便化 して「あんなり」となり、さらに無表記となって「 り」となることが多い。こうした形をしっかり

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