極める古文1 基礎・必修編

出 典 解 説  『 更  『更級日記』の内容は、作者が最晩年に至って自らの人生を振り返ってみて、少女時代への懐旧 と悔恨を込めて綴った「回想記」といえる。有名な場面としては、源氏フリークだった少女時代に 待望の『源氏物語』を手に入れて暗記するほど読み漁り、自分も光源氏のような男性に出会いたい

さらしな 級 日記』は平安中期の日記文学で、作者の 菅 すが 原 わらの 孝 たか 標 すえの 女 むすめ の父は学問の神様と呼ばれる菅 原道真の子孫、叔母は『 蜻 かげろう 蛉 日記』の作者 藤 ふじわらみちつなのはは 原道綱母 という文学的にとても恵まれた環境に育っ た。菅原孝標女は他にも『浜松中納言物語』『 夜 よる(よわ) ( 半 )の 寝 ねざめ 覚 』を書いたという説があり、文学 史で問われることがあるので注意。 と夢見るシーン。しかし、実際の生活は彼女が思い描いたような生活ではなく、宮仕えも夢想した 物語世界とはまるで別物だった。物語ばかりに夢を見て勤行やお寺参りをないがしろにしたからこ んな惨めな運命になったにちがいない、と後悔することになるのだった。

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