極める古文1 基礎・必修編

第6講  『平家物語』

11 ここでは横笛の心が何らかの理由でさまよい出ているという場面。その理由とは、1「滝口への憧れ」 なのか、2「失恋の痛手」なので迷うが、1の「心が浮き立つような感じ」では、恋のルンルン気分 になってしまう。 行目に「一方ならぬ哀れさ」とあるように、ここは横笛の失恋の痛手から魂が体か ら抜け出たととるべきで、正解は2。 問八 まず「おはす」のゴロから見ていこう。 大橋( お ー はす )巨泉で いらっしゃる 、 サ ー 変 おはす(サ変)=いらっしゃる 波線部bの「おはす」は「いらっしゃる」と訳すサ変動詞の尊敬語だ。そこで選択肢の中から「尊敬 語」を探していこう。 1の「啓す」は「申し上げる」と訳す謙譲語。 けーす け、 そーす けに 申し上げる 啓す・奏す=申し上げる 解答 2 問七 傍線部イの中の「あくがる」は元々「自分の魂が体からふらふらとさまよい出る」というのが原 義。そこから、浮かれ出るや憧れるという意味が生じた。何かに憧れるというのは、魂が体からふらふ らと抜け出ることをいうのだ。 あ ー 久我ル ンルン 浮かれ て 憧れ ちゃう あくがる=1浮かれ出る 2憧れる

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