極める古文1 基礎・必修編

16 次に、「本文全体の内容を踏まえて」とあるように、本文を最後まで読んでから解答するのがポイン トだ。傍線部の直前に「御車入るべき門は鎖したりければ」とあるので、源氏の乗ってきた車が入るは ずの門が閉じていたことがわかる。そこで、惟光が家の中に入って何かをしに行くわけだが、その事情 が確実にわかるのは、 行目の「門あけて惟光の朝臣出で来たるして」 と、問二のEにも絡むが、 行 目からの惟光のセリフで「鍵を置き惑し侍りて」 の箇所。ここからわかることは、惟光は、家の中に入っ て門を開けるため鍵を探し、その鍵で門を開けて出てきた、ということだ。 問三 まず、傍線部の「待たせ給ひける程」の解釈を間違えないこと。ここの主語は『源氏』であり、 源氏が、惟光が何かをするのを「お待ちになっていらっしゃった間」と訳す。 ここの「せ/給ふ」は、 「尊敬+尊敬」の形で二重尊敬(最高敬語) になっており、源氏に対しての敬意を表している。「せ給ふ」 の形に関する詳しい説明は問六でやるので、そちらを参照のこと。

問四 まず、傍線部2「誰とか知らむ」が心中語(心の中で思った言葉)であること、次に誰が思った ものなのかを判断することがポイント。 解答 (家の中に入って)鍵を探し、門を開けて出てくるまでの間

17 惟光が何をしている間、源氏がお待ちになっていらっしゃったのかをまとめると、「源氏のお車を門 から入れるために、家の中に入って鍵を探し、そ鍵で門を開け出てくまでの間」となるがこれ ではちょっと長いので「家の中に入って鍵を探し、門を開けて出てくるまで間」というくらいにま とめよう。前半の「家中に入って」はなくてもOKだ。

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