極める古文1 基礎・必修編

第8講  『大鏡』

P OINT

「 」 人物ではなく、「髪の端っこ」。つまり、正解は4の その他 になる。体は外に出て車に乗り込んだに もかかわらず、まだ「長い髪の端っこは」室内の柱のもとに「おありになった」ということのようだ。 当時の女性は長い髪が美人の条件 だったということを知っておこう。 イの「申しつたへ」の主語もアと同様、4の「その他」が正解。「とぞ、申しつたへためる」=「と、 申し伝えている」ということなので、あえて主語というなら、「世間の人々」になる。傍線部の直後の 「ためる」は、「~ようだ」と訳す。完了の助動詞「たり」の連体形「たる」に推定の助動詞「めり」が 付いた「たるめり」の撥音便「たんめり」の撥音「ん」が表記されない形。係助詞「ぞ」の結びで「め る」と連体形になっている。

14 この「たるめり→たんめり→ためり」の形は、文法問題として頻出する。すでに何度かこの問題集で 出てきたものだが、ラ変型活用語と推定「めり」および伝聞・推定「なり」との組み合わせに関しては、 P のポイントを復習しておこう。 ウは次の「て」パターンが有効。是非マスターしよう。 接続助詞「て・つつ・して・で」を挟むと、同一主語である場合が多 A (述語1) 接続助詞「 て ・ つ つ ・ し て ・ で 」 AとBは同一主語 B (述語2)

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