極める古文1 基礎・必修編

第8講  『大鏡』

2 問五 この「あきになる」の和歌は、帝の和歌に対して女御が詠んだもの。内容は、「秋になると木の 葉の色は変わりますが、 あなたが 私に飽きることなく、今おっしゃっている『お言葉(=ことのは)』 だけでもお変わりなさらないならば、 私も あなたにつながった枝になりたいと思います」というもの。 女御から見たここでの「あなた」とは「帝」のことになるので、「ことのは」の主語は2の「みかど」 になる。 和歌は内容がつかみにくいが、ここでは帝と女御とが和歌を交わしあっていることから、正解にたど り着いてほしい。 問六 掛詞はすでに勉強したように、同音異義語を利用して、一語に二つの意味を掛け、表現に広がり をみせる和歌の技法なので、 「あき」という語がどういう同音異義語を持っているかを考えることになる。

帝から、「生きているうちはもちろん、死んでからも一心同体でいたいものだ」という歌を贈られた 女御が、「『秋』になると木の葉の色は変わるけれど、帝様はおっしゃった言葉通り、私に『飽き』ない でくだされば、一心同体でいますわ」という返歌をしている。ここでは 「秋」と「飽き」とが掛詞 になっ ている。漢字一字で答えよ、とあるので正解は「飽」。 解答 解答 飽

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