極める古文1 基礎・必修編

P OINT ︷ 和歌の修辞法

1 掛(懸 )詞 (かけことば) =一つの語に二つの意味を掛けて、意味の広がりをもたす技法。同音 異義語の性質を利用したもの。一方が自然風物を、もう一方が心情を表す場合が多い。 (例) 秋(自然風物) あ 掛詞 き 飽き(心情) ※「掛詞」は、日本語に同音異義語が多いという性質を利用したものなので、普通だと漢字で書 くところをわざわざ平仮名で書いてある部分が掛詞になっている可能性が高い 2 縁 語(えんご) =和歌の中のある語から連想される(=縁のある)語を用いて、表現におもし ろさや複雑なイメージをもたらす技法。 (例)なぎさ→寄る→波 3 枕 詞(まくらことば) =ある特定の語を導き出すために、その前に置かれる決まった言葉。基 本的に五音。 (例)あきつしま→大和 4 序 詞(じょことば) =「枕詞」と同じで、ある特定の語を導くためにその前に置かれる決まっ た言葉。七音以上で字数に制限がなく、二句以上に及ぶのが原則。 (例)あしひきの山鳥の尾のしだり尾の→ながながし 。

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