極める古文1 基礎・必修編

P OINT 「見てみると、連れて来た女もいない」と判断して、「率」の字が正解となる。次のポイントでは、上一 段活用動詞同様、「活用の種類を覚えておくべき動詞」の一覧を掲載するので、自分で紙に写し取るな どして、完全にマスターしてしまおう! 活用の種類を覚えておくべき動詞 1 上一段 活用動詞 ※前ページのポイント参照。 2 下一段 活用動詞 =「蹴る」の一語み。 3 カ 行 変 格活用動詞= 「 来(く)」一語 ※ただし「 出 い で 来 く 」のような複合動詞あり。 4 サ 行 変 格活用動詞= 「す」一語 ※ただし「恋す」「具す」のような複合動詞あり。 5 ナ 行 変 格活用動詞= 「死ぬ」「 往 い (去 )ぬ」の二語 。 6 ラ 行 変 格活用動詞= 「あり」「をり」「 侍 はべ り」「いまそかり」の四語 。 ※「いまそかり」は「いまそがり」「いますかり」「いまそかり」「いましかり」なども書かれる。 この一覧の中で、特にカ変「来」はよく出る。というのも、カ変は漢字で活用を書くと、 「来(こ)/来(き) /来(く)/来る/来れ/来(こ)」となり、 「来」という字の可能性として、未然形・連用形・終止形・ 命令形の四つもある のだ(命令形が「こよ」となるのは中世以降)。カ変が問われた時は、何形なのか の判断は慎重に行ってほしい。特に文末の「来」は、終止形か命令形かの見極めを忘れないことだ。「こ ち率て来」=「こっちへ連れてこい」などの場合は、「来」は「こ」と読んで命令形だ。

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