極める古文1 基礎・必修編

第2講  『徒然草』

P OINT

― bの「ぬ」は完了と打消の二つの可能性があるが、ここでは「ぬ」が形容詞「物騒がし」の未然形「物 騒がしから」に付いている。また下の「やう」という体言につながっているところから「ぬ」が「連体 形」とわかるので、打消の助動詞「ず」連体形とわかる。  「ぬの識別は接続や活用形で判断するが、打消と完了とでは意味がまったく違ってしまうので、気 をつけよう。 「ぬ」の識別 未然形+ぬ=打消の助動詞「ず」の連体形=「~ない」と打消の意がある。 ぬ 連用形+ぬ=完了の助動詞「ぬ」の終止形=「~た」と完了の意がある。 ただし、 「ぬ」が強意の用法の場合は、特に訳出しない。強意の用法とは下に助動詞を伴って「ぬ べし」「ぬらむ」などとなる場合。 cの推定「める」はaと同じで係助詞「ぞ」の結びになっているので連体形。一応活用を確認してお こう。終止形が り」で終わっているものは、基本的にラ変型活用になる。 推量の助動詞「む(ん)」の活用。 (ま)/〇/む(ん)/む(ん)/め/〇

31

Made with FlippingBook HTML5