極める古文1 基礎・必修編

第2講  『徒然草』

 「とて」は「と言て」の縮まったものだと覚え くとわかりやすく、「といって」と訳す。選択肢 では3と4が該当する。5の「というので」も許容範囲内だ。一方、1と2のように「と言われても」 という逆接の意はないので×。 次に、打消の助動詞「ず」と反語の「」に注目する。  「捨てざらんや」のところだけを訳してみると、 「捨てないだろうか、いや、捨てるだろう」となる。「ざ ら」は打消の助動詞「ず」の未然形、係助詞「や」はここでは反語だ。こ訳に当てはまっているもの は1・2・3なので、先ほどの「とて」とあわせると正解は3になる。 解答 A=2 B=2 C=4 D=1 G=3 I=3

あらま ー し っかりした 計画 あらまし=計画  「あらまし」は将来の計画の意だが、ゴロ通り「計画」と訳している選択肢は1。しかし、1は「この」 の指し示す内容を「処置しておきたい」と取っているところが×。 指示語の「この」が指しているのは 「思ひ立つ」こと、つまり「出家をすること」 。 選択肢で出家や仏道修行に触れているのは2と3だが、2は「あらまし」を「不安の念をいだいて」 と訳しており×。3は「心づもり」と訳しており、 「将来の計画」の意訳として問題ないのでこれが正解。 Iのポイントはまず格助詞「とて」。

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