極める古文1 基礎・必修編

100 「思ひ立つ」の中身は「出家」。1行目の「大事」や「本意」という語も、 「出 家」との結びつきの強い語だ。文章全体のテーマが「出家」と「無常」であることをつかめば正解する のは易しい。正解は4の「出家遁世をすること」。なお、「出家」に関しては、第六講P のポイントで まとめているので、そちらも参考にしてほしい。 ほい ほい 出家 が 本来の目的 ほい(本意)=1出家 2本来の目的 問五 ここでは傍線部だけでなく、前後に視野を広げて判断する。「おほやう人を見るに、少し心ある きはは、皆このあらましにてぞ一期は過ぐめる」とう一文全体から考えよう。  「このあらましにてぞ」というのは問三のGで見たように、「いずれ仏道に入ろうという心づもりで」 と訳す。そこからわかるように、ここでの「心あるきは」というのは、仏道に関係がある人。候補とし ては2か4だが、4を入れて全体を訳してみると、「だいたい、世間の人を見ると、『仏道修行の困難が わかる人』は、みんないずれ仏道に入ろうという心づもりで一生を過ごしてしまうようである」となっ て文意がおかしくなる。「仏道修行の困難がわかる人」であれば、そんなにうかうかと一生は過ごさな いはずだ。 一方、2の「出家の志をいだいているほどの人であれば、その多くが出家の心づもりだけで終わっ てしまい、実際には出家しないままで一生を終わってしまう可能性が高いというのはありえる話なので、 2が正解。 解答 解答 4 2 問四 問三で見たように、

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