極める古文1 基礎・必修編

第2講  『徒然草』

P OINT

99 問六 傍線部H「その時」というのは、1行前の「無常の来る」時のことだ。この「無常」の意味は、 その直前の「命は人を待つもの かは 」=「命というものは人の都合を待ってくれる だろうか、いや待た ない 」というところを読めばわかるように「死ぬ時」のことを意味している。正解は3「死が到来した 時」となる。ここで反語に付いてまとめておこう。 「やは」「かは」は反語! 第1講で勉強した「係り結びの法則」の中で、「や・か」は疑問と反語の意味を持っていたが、 「やは・かは」の形の時は %反語 と判断してよい。結びはもちろん連体形になるが、それ以上に 大切なのは口語訳。 反語の模範的な訳は「~だろうか、いや~ではない」だが入試の選択肢では必ずしもそう訳 されているとは限らい。反語の口語訳のパターン次の三つがあるので覚えておこう。 「待つものかは」 1「待つだろうか、いや待たない」 …もっとも模範的な口語訳。自分で訳すときはこの形で。 2「待つなんてことがあろうか」 …言外に反語の意味があるのを省略した形。 3「待つはずがない」 …結論である否定的な内容だけを訳した形。 解答 3

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