極める古文2 センター試験編

よりおこせ のを見せんと、 ながめて、 「はや咲 知らぬ間に」と、言の しをとどめ、はかなき筆 れなるこ をのみ書きおけるは 見にも見よとなるべし。つひに弥生 日、浦島が子の箱開けしくやしさ、何に ん。遺言たがへず、かの堂のうちにをさめ、 跡とふわざなど営むを とまりて見る老いの 命、返す返すつれなし。

四、 五日 きたので、 瓶に挿して置いたと いたことよ。病気の め と、一つ一つの言葉にも懐か ちょっとした筆の気まぐれに書い ことばかり書き残しているのは、 見てほしいということな だろう。ついに 娘は亡くなって は、何にたとえよう 。 堂の中におさめ、死後を弔う法事などを営む を、この どまってそれを見る年老いた命は、かえすがえすも思うに任 ないものである。

娘が 早く見たがって

浦島の子が玉手箱を開けた時のような悔しさ

娘の 遺言を違えることなく、あの挙白

娘は ちょっとながめて、

この先

長い世の形見としても

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