極める古文3 中堅~上位大突破編
万 よろづよ 代 もここに く末をもみばや
十九日、 て門 叩 たた きて入る。父母および 第8講『とは の不孝を告げ らんとそぞろにそらおそろし。 とぶ ふ。ここも許しあるところに ばしもたたずみなんは
とくまかでぬ またそこに泊まりぬ。 二十日、 つつ出で立つ。すみすてがたき宿の辺り、かへり みのみせらるるぞあぢきなき。昔めしつかひし人 の武蔵 国なにがしの里にす ひてあれば、それ を便りにとてゆ なりけり。鎌倉 た旅の具などかりていとま
酉 とり の時より起き、旅用意し、
寅 とら の刻よりおき 奉 たいまつ る。みたまのいかに我を罪
。 とみかうみする間に日暮れぬれば、
往 ゆ きて子なるもの孫なるものの など思ひたりし家居をあとになし
人わろければ
出 い でて、正覚寺にゆき
乞 こ ひていでぬ。いく
河
が し 岸 を過ぎ、護
、慌ただしく
御 み は か 墓 にこたみ
主 あるじ に銭ま
栄 さか ゆ
給 たま ふ
振り返って見がちであるのもかいのないことだ。昔召し 使ってい 人が武蔵の国の某 里に住んで るので、そ れを頼 て行くのであった。鎌倉河岸を過ぎ、護持院の
十九日、午前四時 て門を叩いて中に入る。 の不孝をご報告申し上げる しなさるだろうかと思うとひどく 院を訪ねる。ここも許されているとこ しばらくたたずむのもみっともないので、 ぐに退出した。あれこれと見ている間に日が暮 たので、またそこに泊った。 二十日、午後六時ごろから起き、旅の用意をし、主に 金銭や旅の用具など借りて別れを告げて出た。何代にも わたってここに
来を見 いなどと思っていた住まいをあとにし 発し た。住み慣れた家の辺りを捨てがたい気持ちでついつい
骨を埋めて
子どもや孫が繁栄していく将
先祖の
霊がどんなに私を罰
123
Made with FlippingBook - Online catalogs