極める古文3 中堅~上位大突破編

れば、 「此 れば、 院「融の 「然に候ふ」と申す 問はせ給へば、 「家に くおはしませば、かたじけ ひ給ふるなり。いかが仕るべき 院「それはいと異様のことなり。わ 家をやは押取りて居たる。大臣の子孫の せたればこそ住め。者の霊なりといへども、 ことのことわりをも知らず、いかでかくはい ふぞ」 高やかに仰せ給ひければ、霊かき消 つ様に失せにけり。その後また現 るること なかりけり。

います」と ると 融の大臣の霊が 院が このようにいらっし ております。 かがいた げるので、院は「それはまこ 家を押し取ったものではないぞ。 事の道理を知らずに、どうしてそのような 大声で一喝なさったところ 霊 かき消 よう た。その後は二度と現れ とはなかった。 上したからこそ住んでいるのだ。

「わが家ですか

おまえ 融の大臣の

(=大臣)の子孫が献

霊とは言えども、

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