極める古文4 上位~難関大突破編
と。そこは しき事は侍らね のむつかしきを」 とこたへ給ふに、父の 「まことにかの人を見れば 命も延びぬべきさまし給へる人 かしこく思しよりたり。われ迎へた らん」 とて、花盛りいとおもしろきに、かかやくば かりしつつ、中納言のおはするかうそうに まうで給へり。 「国にとりては一の大臣にて、 さばかり世の中をわがままになびかし、やん ごとなげなる人 、 いかで物し給ふにか」と、 おどろきかしこま 給ふに、 「さるべき人々、案内申し侍る事侍るなれ ど、聞き入れさせ給はざんなりとうけたま はるを おのれがあやしのいほりに、この ごろ花おもしろく侍るを、御覧ぜさせに、
と、 中納言が 「 大臣公卿といった
「日本の す。それによっ ということもなく、 気が晴れ晴れしなくて気 と答えなさるので、父の大臣 「ほんとうにあの人(=中納言 命も延びて長生きができるようなあり 人であることだ。 すばらしくお思いになったことだ。わたしが しあげよう」 と言って、花の盛りがたいそう趣深いころに 行列など きら光るほどにしながら、中納言のいらっしゃる御殿に参上 さった。 「 ど世の中を自分の思いどおりに従わせ、高貴に見える のような
に対して『
人が、 いったいどうしてこんな所へおいでなさるのか」
父の大臣は
おいでくださるまいか
驚きあきれ恐縮しなさると、
中納言を好きになるとは、あなたは
国にとっては一の大臣であって、あれほ
相当な身分の人が、
』と内意を伺い申し上げます
あなた(=中納言)
中納言を
一の大臣
お迎え申
たいそう
111
Made with FlippingBook - Online catalogs