極める古文4 上位~難関大突破編

る」と詠め とさへ思ひ出で だりがはしう繁りあ ゑたる桜の木ども、か に残れるが、折知り顔に色 てはやす人もなかめ を、誰見 ふに 、おもほえずうち嘆かれぬ。此花の もはそのかみ母屋に向かひたれば、親は ら打ちつどひ春毎に、盃と つつ打ち興じも てはやしつるを、今は其世の人独りだに残ら ず、ただ我のみたちおくれて、昔の春 夢語 りを、さらに語らふ友もなし。 こととはぬ花とはおもへどいにしへをと はまくほしき庭ざくら哉

る、梅の木どもの大きなる かたへは朽ちな どしつれど、若葉の色いと

奥の方は少 くだりて、片山かけたる坂を ゆくに、父君の

愛 め でて植ゑつると聞きおきた

清 き よ げ 気 にて、

、はやくの

花の盛

花も

であって、 われた木々が乱 の木々が、一部は枯 時節が来たことを知って ど、 美しく咲いている たい誰に見てほしいと思って桜の のだろうか の木々はその昔、母屋に向き合っていたの まって春が来るごとに、手に杯を持っ は面白 ものなのに、今はその頃の人が一人さえ残っておら けが死に遅れていて、昔 春のようにはかない物語を、 友もまったくいない。 こととはぬ…=ものを言わな 花だとは思っているけれど、

の桜であるよ。 奥の方は少し下りになっていて、山の片側にかかっている坂を 行くと、父君が賞美して植えたと聞いて覚えていた 梅 木々で

昔、 親兄弟がみんな集まって、毎年春に飲みながら花見に興じた 通りに咲いているのを見ると、昔のことを

と思うと、思いがけなくつい嘆いてし

花を賞美する人もいないよう

尋ねてみたいと思う庭

いかにもその

いっ

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