極める古文4 上位~難関大突破編
ことのある ずらむとて、 これはいみじく愚か 人の習ひなれば、腹黒 からぬほどにはからふべき すべて、人の腹立ちたる時、 いよいよ怒る。さかりなる火に少水 愚かなりとも、賢臣あひ助けば、その国乱る べからず。親もしおごれりとも、孝子つつし んで随はば、その家全くある し。重き物な れども、船に乗せつれば、沈まざるがごとし。 上下はかはれども、ほどほどにつけて、 むは、その益なかるべし。しかれば はばかつて、やはらかにいさむべし
らむ人のためには、ゆめゆめうしろめたなく、 腹黒き心のあるまじきなり
冥 みゃうが 加 を思ふべきゆゑなり。
このことを聞か
。 陰 かげ にては、また
強 こは く制すれば
。君もし
機嫌を
頼め
。
せないよう であるけれど、 また嫌に思ったりし る。 大体、人が腹を立てている る。燃え盛っている火に少しの水 違いない。だから、 ちが共に助けるならば、その国は乱れるはずが い上がって えば、その家は無事であるに違いない。重い物だけれど 乗せてしまえば、沈まないのと同じである。 ても、それぞれの立場にふさわしく、頼みに思っているような人 のためには、決して
戒めるのがよい。主君がもし 心があってはならないのである。その裏では、また神仏が人知れ ず与えるご加護を期待できるからである。
わがままに振る舞って
相手の
どう思われるかという
良い時機や状況を考慮して、穏やかに
道理に暗く
も 、孝行心のある子が慎重に従
愚かであっても、賢臣た
気がかりや、意地悪い
身分の
上下は変わっ
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