極める古文4 上位~難関大突破編

水・さぶらふなどを立て置きて、 東の御方と 二人、 末の一間にて、 何となき物語して、 「一

しめしよらぬ御事なれば、 御大口ばかりにて、 「など、これほど常の御所には人影もせぬぞ。 ここには誰かさぶ ふぞ」とて入らせお し

女房の方にはいと まりに、 わが御身一つ し集めて、 女房達を打たせ るを、 ねたきことなりとて、 東 はせて、 十八日には御所を打ち参ら ふ事を談議して、 十八日に、 早朝の供御 程に、 台盤所に女房達寄り合ひて、 御湯殿の の口には新大納言殿・権中納言 あらは 別 当殿、 常の御所の中には中納言殿、 馬道に真清  『

定、御所はここへ出でさせお しま なむ」 と言ひて待ち参らするに、 案にも違はず、 おぼ

第1講

「どうして、こんなに常の御所には人影もないのか。ここには 誰か控えておるか」とおっしゃって入っていらっしゃったとこ ろを、東の御方が抱きとめ申 上げる。 「ああ困った。誰かい るか、誰かいるか」と

女房の側にとって ことに、 めなさって 女房たちを打た わることだ 思って、 は院をお打ち申し上げようということ 早朝のお食事のすんだころ、台盤所に女房 御湯殿の上の間の戸口には新大納言殿、権中納 別当殿、常の御所の中には中納言殿、馬道には真清 ふ(=女房の名前)などを立てておいて、 末の一間でとりとめのない雑談をして、 「きっと、院は こ 出ていらっしゃるでしょう」と言って待ち申し上げると、案の 定、 院は 思いもかけられなかったことなので、大口袴だけで、 院 ご自身だけではなく、お

院は おっしゃるけれども、すぐかけつけ

私は 東の御方と申し合わせて、十八日

私は 東の御方と二人、

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